一般社団法人運輸安全総研トラバス

運行管理者試験(旅客)の雑感

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弁護士の橋本です。

平成30年8月26日実施の運行管理者試験(旅客)を受験してきましたので,雑感を述べます。

試験対策

今回の対策として,過去問を6回分(3年分)ほど検討していましたが,それと比べても大きな変化はなく,今年もおおむね基本的な内容が出題されたという感じです。

どうしても判断しきれない問題も2問ほどありましたが,過去問で出ていた記憶がない知識,あるいは出ていても1回程度だった知識は,ある程度捨ててしまって,常識で回答するようにしました(たいていはそれでも当たります)。

過去問で出ていない知識は,対策の段階からテキストでも斜め読みしていましたが,逆に過去問で出ているところは,細かいところでも注意して暗記するようにしていました。

暗記のポイント

たとえば,数字です。

信じがたいことですが(プロになりたいなら覚えないといけないということなのかもしれませんが),2.5メートルを2.6メートルとしたり,3.8メートルを3.9メートルとしたりしてそれを間違いの選択肢としている問題もあるので,こうした出題が過去にあった数字は,一見馬鹿馬鹿しくても,暗記しなければなりません。

とはいえ,もとより満点を狙う試験ではありませんので,細かい部分を気にしすぎて嫌にならないようにということだけは,ぜひご注意ください。

いろいろなテキストが販売されていますが,過去問こそが唯一最大の尺度ですので,テキストを丸おぼえするようなことは避けましょう。テキストをざっと1時間くらい眺めたら,すぐ過去問の練習に入ったほうが良いと思います。

2択を目指そう

とにかくこの手の試験は,選択肢を2択まで絞れるようになれば,正解できるようになって,問題演習が面白くなっていき,そこから加速度的に合格に近づいていきます。

ですから,過去問で毎回出ている選択肢と引っ掛けのパターンを覚えて,まずは2択まで絞れるようにするとよいと思います。

過去問は,3年分でもなんとかなりますが,同じことを繰り返して聞いていることをもっと実感するためには,手に入るだけの問題を,2周くらい解いておくのが理想です。

1時間半の試験ですが,慣れてくるとその半分程度の時間で解き終わるようになりますので,たとえば午後8時くらいに家に帰って一息ついたところで始めても,9時までには終わります。

時間切れ対策

試験にあまり慣れない方は,1時間半でも時間切れになって最後の方の問題文を十分に読むことができないということも多いようなのですが,私は,練習段階からじっくり解きすぎて,その感覚から抜け出られないのが原因ではないかと思っています。

1問に使える時間は3分くらいしかなく,最後のほうの計算問題などに少し多めに時間を割くことを考えると,知識問題には2分程度しか使えません。この時間感覚を,練習のときから身に着けられるかどうかだと思います。

問題演習のときは,1問1問じっくり考えていても仕方ないので,間違ってもよいつもりで思い切って2分で割り切って解き,答え合わせをしながら答えを覚えていくつもりで取り組んではいかがでしょうか。

先ほどは,テキストを読むのに時間を割きすぎるべきでないと述べましたが,問題演習も同様に,時間をかけすぎないほうがいいと思います。むしろ,そのようにじっくり解く時間があるなら,間違えた問題を2周,3周と回すべきですね。

まとめ

以上のとおり,苦手意識のある方は,ぜひ過去問を解きまくって自信をつけて下さい。直近の過去問だけに限っても,そこで出ていない問題はせいぜい2~3問しか出ません。

運行管理者試験についてお悩みの方は,ぜひトラバスまでご連絡ください。

運行管理者試験対策(貨物編)

1 はじめに

弁護士の橋本です。

この度,運行管理者試験(貨物)を初受験し合格することができました。得点は30点中28点でした。

今後,皆様が受験される際にヒントとなると思われることを記載しておきますので,学習の参考にして頂けますと幸甚です。

今回は,総論的に,どのような試験なのか,どのような対策をすればよいのかをご紹介することにして,次回から,各論として分野別・問題類型別の傾向と対策の解説に入っていきたいと思います。

2 試験の特徴

(1) 基本的には暗記の試験

受験対策をした実感として,じつに9割以上が暗記の試験と言ってよいと思います。

もちろん例外もあります。たとえば,事故防止の方策として有効な手法を選択肢の中から選ぶ問題などは,暗記では対処できない問題の一つですが,全体の中では少数派です。

内容を明確に暗記していない問題が出たときも,場合によってはある程度常識で解けるのですが,やはり暗記していなければ自信をもって回答ができず,万全の対策とはいえません。

計算問題などもありますが,(計算の理屈自体は理解することが必要としても,)公式を覚えていなければならず,これは結局のところ暗記に近いものがあります。

暗記の内容としては,とりわけ,「1日の乗務時間は何時間まで?」とか,「車幅は何メートルまで?」といった数字の暗記を要求される場面も多く,これが合否に直結します。

したがって,重要な数字は,語呂合わせを使ってでも覚えなければなりません。

たとえば車高「3.8メートル」までという規制について,あえて0.1メートル数字を変えて「3.9メートル」や「3.7メートル」として間違った選択肢としてきたりして実際に出題されているので,これらは割り切って暗記するしかありません。

こうした問題を見る限り,ざっくりこのくらいという覚え方では対処できないわけです。

逆に,それさえできていればかなりの数の選択肢を瞬殺することができ,得点源となっていきます。

後述のように過去問が繰り返し出題されていますので,暗記するポイントも過去問を検討することによって特定していくことができます。

ただ,数字は重要なので,できれば出てくる数字はすべて暗記するつもりで学習したほうが良いと思います。

私は,数字が出てくる部分については,出てくるたびにすべて抜き書きしておき,集約したものを縮小コピーして持ち歩いて,移動中などに確認していました。

(2) 過去問の重要性

過去問と全く同じ選択肢が繰り返し出題されています。全く同じでなくとも,文章を裏返しにした選択肢にして,正解肢を誤りの肢に変えたりしながら問われています。

年度によって難易度に変化があると見受けられますが,最低でも過去3回分を模試のような感覚で時間を計って解いておく必要があると思われます。

なお,古い問題を練習する際には法改正に注意することが重要です。

古い問題を検討するときは,その頃の本を使うのではなく,古い問題が載っていてもテキスト自体は毎年改訂がされているものを使えば安心でしょう。

それに加えて,普段学習に使用するテキストを選ぶ際に,過去問の選択肢が各項目ごとに引用されて紹介されているものをお勧めします。

そのようなテキストを使用することによって,現在学習している分野が,実際の試験ではどのような形で問われているか,誤りの選択肢となる場合にはどのようなひっかけの仕方をされているかなどの相場を概観することができます。

漫然とすべての知識を頭に入れることは大変ですし非効率です。完璧主義にならず,過去問での問われ方を一つの基準にして,その限りの知識を繰り返し覚えていくのが良いと思います。

(3) 6割取れば合格

本試験は,6割正解すれば合格できます。前述したとおり,完璧主義にならないでください。

今回,あくまで結果として2問ミスにとどめることができましたが,これは正直に言って,目標値を大きく上回るものでした。

まして,満点など狙って勉強をしてはおりません。目標はあくまで7割~8割(21問~24問)くらいのところで設定しておりました。

とくに,私もそうでしたが,この試験は仕事をしながら受験される方が多いと思いますので,効率よく学習する必要があります。満点を狙っていくことは全くお勧めできません。

ざっくりと全体を7割~8割の完成度に仕上げることが重要だと覚えておいてください。

とくに,最初にテキストを読むときは,7割がた頭に入ったと思ったらすぐに次の分野に行きましょう。全体を終わらせてから少しずつ精度を上げていくのが得策です。その意味で復習のウエイトが高いといってもよいでしょう。

なお,全体で6割の基準のほかに,分野ごとに最低正解数(実務知識問が2問,その他の分野は1問)があることからも,まんべんなく学習し,全体の精度を徐々に上げていく学習方法をお勧めする次第です。

(4) 合格率35%の試験

今回,受験者数に占める合格者数の比率は35%と,例年に比べて高かったようです。前回が20%と聞いていただけに,私としてはかなり身構えて勉強しましたが,このように,合格率に比較的大きな変動があるようです。

ただ,それでも35%というのは3人に1人程度しか合格しないわけですから,油断はできません。むしろ約3倍というのはそれなりに倍率の高い試験といってよいのではないかと思います。また,いつまた20%台に下落しないとも限りません。

しかし,私が,受験資格を得られる基礎講習(私は7月7日~9日の3日間で受講しました)の際の,周囲の参加者の学習状況からすると,実質的な倍率はもっと低いという感覚です。

すなわち,基礎講習修了から2か月弱ほどの間,しっかり学習してから受験している方がどのくらいいらっしゃるのか,きわめて疑問に思われます。ある程度真面目に対策している方の合格率はもっと高いのではないかと思われます。

基礎講習は,運行管理者試験の受験資格を得るためのものとしては,試験対策に関係のある内容も扱いますが,運行管理者の補助者資格を得るためのものでもあります。

このように,試験対策に特化したものではないので,基礎講習の内容だけでは合格できません。

そもそも,前述のとおり6割取れれば合格するのですから,合格人数や合格率が先に決まっている選抜試験ではありません。本来は全員が合格できる試験なのです。

(5) 法令の試験

ほぼすべての問題が,法令ないし通達や指針といったものの条文そのものから出題されています。法令の解釈である判例や学説といったものが出題された例は皆無です。

通達や指針は,法令の解釈や基準を行政庁が示すものですから,そこでは解釈論の余地はほとんどなく,いわば一義的に内容が決まっています。

それでも,通常の文書と異なりますから,法令を読むことに慣れていない方は,ある程度読み込んで慣れる必要があります。

一例を挙げますと,おそらく過去問集やテキストを開くと,貨物自動車運送事業法の第1条(目的規定)が虫食いになって出題されているのを最初に見ることになると思います。ここでは,用語を正確に覚えておかないと対処できません。

例題

 この法律は、貨物自動車運送事業の運営を(A)なものとするとともに、貨物自動車運送に関するこの法律及びこの法律に基づく措置の遵守等を図るための(B)による自主的な活動を促進することにより、(C)を確保するとともに、貨物自動車運送事業の(D)を図り、 もって(E)の増進に資することを目的とする。


正解(A)適正かつ合理的(B)民間団体等(C)輸送の安全(D)健全な発達(E)公共の福祉

これらの用語を,たとえば「適正かつ合理的」という文言が正解のところを,たとえば「適法かつ円滑」などと一見違和感のない文言に変えて出題してくるわけです。

あるいは,第2条には定義規定があり,「貨物自動車運送事業とは?」,「一般貨物自動車運送事業とは?」といった設問が頻出となっています。

これらも,定義の暗記・理解が必要となってきます。条文に書いてありますので,そのまま出題されます。逆に言えば,受験者としては,そのまま覚えておけば対処できるわけです。

テキストではこれらの条文の内容を簡易な言葉で説明してくれていますが,いずれは条文の原文を読めるようになっておくと,結局のところ復習の場面では早道かもしれません。

3  小括

以上,試験の特性について概観いたしました。決して容易な試験とはいえませんが,正しく対策すれば誰でもいずれは合格することが可能と考えております。

次回以降,分野別に問題の傾向と対策を述べていきたいと思います。最後までお読み頂きありがとうございました。

「いい会社カード」と法令遵守体制

いい会社カード

弁護士の橋本です。

今回は,「いい会社カード」という便利なツールを使った「いい会社診断」を,法令遵守体制〈コンプライアンス〉という側面から見てみたいと思います。

コンプライアンスとは

あえて申し上げるまでもありませんが,コンプライアンスとは企業統治の基本原理の一つであり,企業が,定められた法や規則に従うほか,考え方によっては企業倫理もその概念に含んだうえで,そうした規範に違反しないよう行動し,会社の社会的信頼を維持向上していくための体制のことです。

さて,ここで,「いい会社カード」を見てみますと,「ブレない経営の軸」,「当たり前のことの継続」,「働きやすい職場環境の整備」,「顧客志向」,など,コンプライアンスに関連する項目が多数あります。

「いい会社カード」はこうした分類で合計50枚が用意されており,それぞれのカードには会社への問いかけが書かれています。

「いい会社カード」で注目したい項目

いくつか注目したい項目を見ていきますと,たとえば,「ブレない経営の軸」という大項目があります。経営理念をしっかり持つことで,会社の存在意義を意識することができ,その結果,利益のみを重視するのではなく社会的要請に応えて顧客の信頼を得られるような体制につながっていくと思います。

そうした社会的要請に応えるためには,必然的にコンプライアンスが必要となります。

この,「ブレない経営の軸」という項目の中で,たとえば「身の丈主義」かどうか,「現場主義」かどうかなど,カードによって複数の問いかけがなされています。

こうした問いかけに対してひとつひとつ立ち止まって考えてみることで,ご自分の会社を客観的にチェックできるという仕組みです。

会社の規模や能力を把握しているか,会社が現場に潜むリスクを認識しているかどうか,というのは法令遵守にとっても重要なことだと思われます。

こうした点が欠如すると,会社を維持していく上で無理が生じて,いきおい法令遵守が二の次になっていきかねないからです。

このほか,紙幅の関係で,大項目のみをご紹介しますが,先ほど挙げた「ブレない経営の軸」「当たり前のことの継続」,「働きやすい職場環境の整備」,「顧客志向」などのほか,「独自の事業展開」,「社員の成長重視」,「いい管理職」などの項目があります。

このように,「いい会社診断」で使用するカードには,さまざまな問いかけの切り口があり,会社として正しく業務を遂行していくことにつながるチェックポイントだと思います。

従業員もやってみることが重要

また,「いい会社カード」では,これらの項目に沿って,経営者も従業員もチェック作業をしてみるという使い方が推奨されていますが,これがまた極めて重要なことです。

企業の様々な法令違反は,経営者と現場で業務を行う従業員との認識のずれから生じていることも多いからです。

今回,コンプライアンスの構築,維持という観点からすべてのカードを眺めてみましたが,どのカードも,まったく関連がない項目はないと思いました。

利益を伸ばすという会社の目的が大切であるのはもちろんのことであり,そうした側面にも「いい会社診断」は効果があると考えますが,法令遵守体制の整備にも,「いい会社」であることは必須であると思います。

こうした点が少しでも気になっている経営者様,管理職の方がいらっしゃいましたら,ぜひ「いい会社診断」を受けて頂きたいと思います。多くの会社様のお申込みをお待ちしております。

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