一般社団法人運輸安全総研トラバス

税金を納めなかった場合等の罰則について

中国人女優の范冰冰(ファンビンビン)さんの脱税が話題になっていますが、23億円ほどの脱税に対し今回納付することになる税金が144億円と言われています。

脱税額に対して納付額が6倍ほどになっていて、脱税に対する罰金が中国では厳しいようなので多額になっていますが、日本でも中国ほどではありませんが税金を納めなかった場合等について罰金にあたるものが有りますのでご紹介します。

1.無申告加算税

申告書を申告期限までに提出しなかった場合に納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額が課税されます。

ただし、自主的に期限後申告をした場合には、5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

2.過少申告加算税

申告期限内に提出された申告書に記載された納税額が過少であった場合に追加で納めることになった税金の10%相当額が課税されます。

ただし、追加で納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%になります。

なお、自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。

3.不納付加算税

源泉所得税を納付期限までに納付しなかった場合に納付すべき税額に対して10%の割合を乗じて計算した金額が課税されます。

ただし、税務署からの通知を受ける前に自主的に納付した場合には、5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

なお、納付期限から1月を経過する日までに納付し、かつ、過去1年以内において納付期限内に源泉所得税を納付している場合には、不納付加算税は課されません。

注意が必要なのは、過去1年以内に源泉所得税の納付遅れが有った場合は、2回目以降に関してはたとえ源泉所得税の納期限から1日遅れて自主的に納付した場合でも、納税額の5%を加算して納めなくてはならないのです。

特に源泉所得税について納期の特例(6か月分の源泉所得税をまとめて払う制度)を採用している法人については、1日遅れただけでも6か月分の源泉所得税の5%を納めなくてはならなくなりますので、源泉所得税についてはちょっと遅れても大丈夫だろうとは思わない方が良いです。

4.重加算税

事実を仮装隠蔽し申告を行わなかった場合、又は仮装に基づいて過少申告を行った場合に無申告加算税、過少申告加算税、不納付加算税に代わって課税されます。

過少申告加算税に代えて課す場合は、追加で納めることになった税金の35%相当額が課税されます。

不納付加算税に代えて課す場合は、納付すべき税額に対して35%の割合を乗じて計算した金額が課税されます。

無申告加算税に代えて課す場合は、納付すべき税額に対して40%の割合を乗じて計算した金額が課税されます。

これは、明らかに脱税の意図があったと認められる場合に課税されることになるので、判断の間違い等では課税されることは有りません。

また、上記1から4の加算税は、加算税額が5,000円未満の場合は納付義務がありません。

5.延滞税

延滞税は各税金が納期限までに納付されない場合に、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課される追加課税で、いわゆる利息に相当する税金で上記の加算税とは別に課税されるため、無申告加算税等に延滞税を加算した金額を納めることになります。

延滞税の税率は以下の通りです。

法定納期限の翌日から2月を経過する日まで

原則 年「7.3%」

特例 年「7.3%」と「特定基準割合(注)+1%」のいずれか低い割合

平成30年1月1日から平成30年12月31日までは、年2.6%となっております。

納期限の翌日から2月を経過した日以後

原則 年「14.6%」

特例 年「14.6%」と「特定基準割合(注)+7.3%」のいずれか低い割合

平成30年1月1日から平成30年12月31日までは、年8.9%となっております。

また、延滞税額が1,000円未満の場合は納付義務がありません。

6.加算税・延滞税の法人税法上の扱い

加算税・延滞税は法人税法上は費用には出来ません。

これは、加算税・延滞税は罰則の意味合いが有るため、費用化で1部でも罰則の意味合いがなくなることは認めないということです。

以上が税金に関する罰金の主なものになります。

3.不納付加算税にも書きましたが、源泉所得税の納付遅れに関しては比較的罰則が重いため必ず納期限まで納めることをお勧めします。

従業員の給料を増やした場合に受けられる税額控除等が改正されました。(所得拡大促進税制の改正)

税理士の森田です。

今回は、従業員の給料を増やした場合に税額控除が受けられる所得拡大促進税制が改正されましたので改正点などを解説します。

中小企業者・個人事業者にとっては条件が緩和され、税額控除額の割合も大きくなったので是非活用して下さい。

所得拡大促進税制の改正は、以下の注意点が有りますのでご留意下さい。

  1. 青色申告の法人又は個人事業主が対象になります。
  2. 設立1期目は適用出来ません。
  3. 法人は、平成30年4月1日から平成33年3月31日までに開始する各事業年度で適用されます。個人は、平成31年から平成33年までの各年度で適用されます。
  4. 給与総額から役員の給与・使用人兼務役員の給与・役員の親族等の給与は除かれます。

このブログをお読みの方は中小企業者等の経営者が多いと思いますので、まずは中小企業者等について書きます。

※平成30年4月27日現在の情報で、本ページを作成しております。

1.中小企業者等の場合

  1. 青色申告の法人又は個人事業主が対象になります。
  2. 設立1期目は適用出来ません。
  3. 法人は、平成30年4月1日から平成33年3月31日までに開始する各事業年度で適用されます。個人は、平成31年から平成33年までの各年度で適用されます。
  4. 給与総額から役員の給与・使用人兼務役員の給与・役員の親族等の給与は除かれます。

改正前は以下の1~3すべてを満たす必要が有りました。

  1. 雇用者給与等支給額が基準事業年度(平成24年度)から増加している
    (給与総額:当事業年度≧基準事業年度×103%)
  2. 雇用者給与等支給額が前事業年度以上になっている
    (給与総額:当事業年度≧前事業年度)
  3. 平均給与等支給額が前事業年度から増加している
    (平均給与:当事業年度>前事業年度)

改正後は次の条件だけになり、改正前の1と2の条件は無くなりました。

平均給与等支給額が前事業年度から1.5%以上増加している
(平均給与:当事業年度≧前事業年度×101.5%)

改正後の税額控除は以下の通りになりました。

ただし、法人税額(所得税額)×20%が税額控除額の限度となります。

(当事業年度の給与総額-前事業年度の給与総額)×15%

が控除され、更に一定の要件に該当した場合は

(当事業年度の給与総額-前事業年度の給与総額)×25%

が控除されます。

※ 一定の要件とは以下の1と2の両方を満たしている場合を言います。

    1.  平均給与等支給額が前事業年度から2.5%以上増加している
    2. 次のいずれかを満たすこと
      • 教育訓練費が対前年度比10%以上増加している
      • 経営力向上計画の認定を受け、経営力向上がなされている

2.大法人の場合

改正前は以下の1~3すべてを満たす必要が有りました。

  1. 雇用者給与等支給額が基準事業年度(平成24年度)から増加している
    (給与総額:当事業年度≧基準事業年度×105%)
  2. 雇用者給与等支給額が前事業年度以上になっている
    (給与総額:当事業年度≧前事業年度)
  3. 平均給与等支給額が前事業年度から2%以上増加している
    (平均給与:当事業年度≧前事業年度×102%)

改正後は、以下の1と2の両方を満たす必要が有ります。

  1. 平均給与等支給額が前事業年度から3%以上増加している
    (平均給与:当事業年度≧前事業年度×103%)
  2. 国内設備投資額が当期減価償却費の90%以上になっている
    (設備投資額≧減価償却費の9割)

改正後の税額控除は以下の通りになりました。

ただし、法人税額×20%が税額控除額の限度となります。

(当事業年度の給与総額-前事業年度の給与総額)×15%

が控除され、更に一定の要件に該当した場合は

(当事業年度の給与総額-前事業年度の給与総額)×20%

が控除されます。

※一定の要件とは次の場合を言います。

教育訓練費≧比較教育訓練費×120%
(教育訓練費が過去2期の年平均額から20%以上増加している)

所得拡大促進税制の改正についての解説は以上になります。

冒頭にも書きました通り、中小企業者・個人事業者にとっては今回の改正で条件が緩和され、税額控除額割合も大きくなったので是非活用して下さい。

※平成30年4月27日現在の情報で、本ページを作成しております。

交通事故を起こした場合の税金の取り扱い

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税理士の森田です。

交通事故を起こした場合の税金の取り扱い

法人の役員・使用人(ドライバー・社員等)が起こした交通事故について、法人が支出した損害賠償金等についての税金の取り扱いは、以下の通りになります。

  1. その損害賠償金等を支払うこととなった交通事故が業務中で、その交通事故が故意又は重過失によるものでない場合には法人の費用(損金)に出来ます。
  2. その損害賠償金等を支払うこととなった交通事故が業務中以外の場合には法人の費用(損金)に出来ず、役員・使用人に対する債権(貸付金等)になり支払いを請求することになります。
  3. その損害賠償金等を支払うこととなった交通事故が業務中で、その交通事故が故意又は重過失によるものである場合には法人の費用(損金)に出来ず、役員・使用人に対する債権(貸付金等)になり支払いを請求することになります。この場合における、「故意又は重過失によるもの」とは、無免許運転・高速度運転・酒気帯び運転・信号無視等が該当します。

役員・使用人に対する債権を貸倒れとして費用計上した場合

また、役員・使用人に対する債権(貸付金等)について支払いを請求することになりますが、役員・使用人の支払い能力等が無い場合には、役員・使用人に対する債権(貸付金等)の一部又は全部を貸倒れとして費用計上した場合(支払い能力等が無い場合に、そもそも債権として計上しないで費用計上した場合も含む。)には、法人の費用(損金)に出来ます。

ただし、役員・使用人の支払い能力等が有るのに、役員・使用人に対する債権(貸付金等)の一部又は全部を貸倒れとして費用計上した場合には、その役員・使用に対して貸倒れとした金額の給与を支払ったことになります。

また、自動車事故による人身事故(死亡又は傷害事故)について支払う損害賠償金等については、示談の成立等により損害賠償金等が確定するまでに時間が掛かるケースも有り、その場合に支払う内払(医療費・見舞金等)は支払った事業年度の法人の費用(損金)に出来ます。

まとめ

今回の内容をまとめると以下のようになります。

法人が交通事故について支出した損害賠償金等は、

業務中で故意又は重過失によるものでない⇒法人の費用(損金)に出来る。

業務中以外⇒法人の費用(損金)に出来ない。

業務中で故意又は重過失によるもの⇒法人の費用(損金)に出来ない。

いい会社カードの活用

いい会社カード

税理士の森田です。

いい会社カードは、会社にとっての問題点や課題を発見するのに役立つツールです。

経営者がすでに認識している問題点や課題を再確認することはもちろん、まだ認識されていない問題点や課題を浮き彫りにさせてくれる効果もあります。

今回はいい会社カードのうち、「ぶれない経営の軸」についてお伝えしようと思います。

ぶれない経営の軸

経営者にとって、何が正しい経営で何が間違った経営なのかを判断するのは非常に難しいことです。

誰かが正解を教えてくれる訳ではありません。

成功した経営者の行った経営判断のまねをすれば、同じように成功するというものでもありません。

結局は実際に経験してみて、その都度より良い方向に経営判断を修正するしかないのです。

そのためには、ある程度経営方針を決める必要が有ります。

経営方針を決めないまま経営判断を行うことは、目的地を決めずに航海の旅に出発するようなものです。

場当たり的な経営判断は間違いをしやすくなり、どこが間違っていたのか分析もしにくいため経営判断の修正をしにくくしてしまいます。

短期と中長期の経営方針

経営方針は、短期(3年以内)のものと中長期(5年~10年)のものを決めます。

中長期は中期(5年)と長期(10年以上)に分けて決めた方が良いですが、中小企業においては中長期で決めても問題は有りません。

経営方針を決める順番としては、中長期の経営方針を先に決める方が良いと思います。

短期の経営方針を先に決めると目先の利益ばかりを優先した経営方針になっていまい、後で中長期の経営方針が決めづらくなってしまうからです。

中長期の経営方針は、経営理念や今後の会社の目標を考慮に入れて、非現実的でなければ多少理想的に決めても良いと思います。

短期の経営方針は、中長期の経営方針を踏まえて、ある程度目先の利益や資金繰りを意識して具体的な金額を計上して決めて下さい。

短期の経営方針は、中長期の経営方針と違い理想は入れずに現実的に実現可能な方針を決めて下さい。

経営方針の修正は、あくまでその都度より良い方向に決める方が良いです。

最初からベストを狙うと、なかなか決められなくなり時間だけが経ってしまいます。

流れとしては、「経営方針を決める」⇒「実行」⇒「少しずつ軌道修正する」を繰り返して行います。

経営方針に基づいたぶれない経営を行うことで、安定的で永続的な会社経営を行えるようになります。

いい会社カードの活用

いい会社カードは、ぶれない経営の軸だけでなく多角的に会社の問題点や課題を発見するのに役立ち、その発見した問題点や課題を修正・克服することにより、より良い会社経営を実現するのに役立つと思いますので是非ご活用ください。

社員に運転免許を取得させた場合の費用の税務上の取扱い

税理士の森田です。

今回は、運送会社が役員・社員に大型運転免許を取得させるために、取得のための教習所等の費用を会社で負担した場合の税務上の取り扱いはどのようになるのかをお伝えします。

所得税関係

運送会社において役員・社員に大型運転免許を取得させることが業務遂行上必要なものである場合には、取得費用は給与として支給されますが、取得費用に関しては所得税を課税しないこととされています。

「業務遂行上必要なものである場合」とは、その役員・社員が大型運転免許を取得していないと仕事にならない場合を指します。

そのため、トラックの運転をする必要のない役員・社員が大型運転免許を取得した場合にその取得費用を会社が負担した場合には、給与として所得税を課税されることになります。

このように取得費用に所得税が課税される場合には、通常どおり源泉所得税が課税されることになります。

また、普通運転免許の取得費用も業務遂行上必要なものである場合には認められると思われます。

法人税関係

運送会社において役員・社員に大型運転免許を取得させることが業務遂行上必要なものである場合には、その取得費用は法人税法上費用として認められます。

ただし、業務遂行上必要なものであると認められない場合は、その取得費用が役員のためのものであるときは、基本的には取得費用全額が法人税法上の費用とは認められません。

消費税関係

免許の取得費用のうち、自動車教習所の費用は仕入税額控除の対象となりますが、運転免許センターでの運転免許交付費用は行政費用になりますので仕入税額控除の対象となりません。

ただし、業務遂行上必要なものであると認められない場合は、その取得費用は給与扱いになるため、取得費用の全額が仕入税額控除の対象とならないことになります。

おわりに

以上が、運送会社が役員・社員に大型運転免許を取得させるための費用等を会社で負担した場合の税務上の取り扱いになります。

ポイントになるのは、その役員・社員の運転免許の取得が、仕事をするうえで必須かどうかにより税務上の取り扱いが変わるということですので、その辺を考慮に入れて取得費用を誰が負担するかの判断をして下さい。

ただし、社員に免許取得費用を負担させる場合は、社員に運転免許の取得を強制することは出来ないと思われますので注意が必要です。

福利厚生費のポイントと具体例:その4

税理士の森田です。

これまでの3回に引き続き、福利厚生費の具体例をご紹介します。

福利厚生費のポイントと具体例:その1

福利厚生費のポイントと具体例:その2

福利厚生費のポイントと具体例:その3

具体例

食事代の補助

役員や従業員に食事を支給する場合で、次の要件を両方満たせば福利厚生費とすることが出来ます。

  • 役員や従業員が食事の金額の半額以上を負担していること
  • 食事の会社負担額(食事の金額から役員や従業員の自己負担額を引いた金額)が1月あたり3,500円(税抜)以下であること

この要件を満たしていない場合には、食事の会社負担額相当額は役員や従業員に対する給与ということになります。

また、上記の内容はあくまで食事を現物支給した場合には福利厚生費となりますが、現金支給した場合には給与扱いになります。

例外としては深夜勤務の場合は夜食を支給できないので、一食あたり300円を現金で支給しても福利厚生費となります。

最近は食事にのみ使えるチケットを福利厚生としての利用している会社もありますが、そのチケットについては「食事にのみ使えること」「換金性がないこと」「使用の管理証明が出来ること」「1月あたりの会社負担が3,500円以下であること」等の条件を満たしていれば福利厚生費として認められます。

保養所

保養所を購入又は会員権を購入して役員・従業員に利用させる場合には、一定の条件を満たせば福利厚生費となります。

ただし、役員だけが利用できる場合や利用料金が安すぎる場合には給与扱いとなります。

育児・介護施設

育児費用や介護費用の補助をした場合には、全社員が利用できることなどを条件に福利厚生費となります。

出来れば社内規定などに記載しておくと良いと思われます。

以上が福利厚生費のポイントと具体例:その4になります。

おわりに

全4回にわたって福利厚生費についてお送りしましたが、具体例に記載していないものでも外部の福利厚生サービスを利用することにより福利厚生費と認められる場合が有ります。

どの場合にも共通するのは役員だけが利用するのではなく全社員が利用できることが条件となります。

福利厚生は、あくまで社員の働く環境整備のために行われるものであるということを忘れてはいけません。

福利厚生費のポイントと具体例:その3

税理士の森田です。
前々回・前回に引き続き、福利厚生費の具体例をご紹介します。

福利厚生費のポイントと具体例:その1

福利厚生費のポイントと具体例:その2

具体例

社宅

社宅に関する家賃の福利厚生については、従業員と役員とでは取り扱いが違うので注意が必要になります。

従業員の場合の取り扱い

従業員に会社の社宅を提供した場合の賃料が、賃貸料相当額の50%以上の金額を家賃として従業員から受け取っている場合には、会社負担分については福利厚生費として認められます。

ただし、従業員から受け取る家賃が賃貸料相当額の50%未満である場合には、受け取る家賃と賃貸料相当額との差額はその従業員に対する給与となります。

そのため、社宅を従業員に無償で貸した場合には賃貸料相当額全額がその従業員に対する給与となります。

賃貸料相当額とは、次の1~3の合計額をいいます。

  1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2. 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
  3. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)× 0.22%

役員の場合の取り扱い

役員に会社の社宅を提供した場合の賃料が、賃貸料相当額を家賃として役員から受け取っている場合には、会社負担分については福利厚生費として認められます。(従業員とは違い50%以上ではありません。)

ただし、役員から受け取る家賃が賃貸料相当額未満である場合には、受け取る家賃と賃貸料相当額との差額はその役員に対する給与となります。

そのため、社宅を役員に無償で貸した場合には賃貸料相当額全額がその役員に対する給与となります。

賃貸料相当額は、役員の場合には社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅に分けられ、小規模な住宅の場合の賃貸料相当額は従業員の場合の賃貸料相当額と同じ計算により算出された金額となります。

それ以外の住宅の場合の賃貸料相当額は、以下の方法により計算した金額となります。

自社所有の社宅の場合

次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。

イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。

ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

他から借り受けた住宅等を貸与する場合

会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記「自社所有の社宅の場合」で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

その他の従業員・役員に共通する注意点として、現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので、給与として課税されます。

社宅については、従業員と役員では福利厚生と認められる条件が異なります。

特に、役員に対する社宅については条件が厳しくなっているので条件に合っているか確認が必要になります。

続きは福利厚生費のポイントと具体例:その4でご紹介します。

福利厚生費のポイントと具体例:その2

前回の「福利厚生費のポイントと具体例:その1」に引き続いて、今回も具体的な福利厚生費の事例をご紹介します。

具体例

健康診断費用

従業員や役員を対象とした健康診断や人間ドック・インフルエンザの予防接種の費用は福利厚生費として認められます。

ただし、全従業員・全役員が対象であること、全員分の費用を受業者が負担すること、支払は事業者が直接医療機関に支払うこと、高額でないこと等の条件が有ります。

インフルエンザの予防接種などは、受けたくない人もいるので全員を対象に予防接種の希望者を募り、希望者全員に予防接種を受けさせれば問題ありません。

社員旅行

社員旅行については以下の要件を満たしていれば福利厚生費とされます。

  • 旅行の期間が4泊5日以内であること(海外旅行は海外の滞在日数が4泊5日以内である。)
  • 旅行に参加した人数が全体の人数の50パーセント以上であること。
  • 自己都合で旅行に参加しなかった人に金銭を支給していない。
  • 取引先との接待・慰安等のための旅行でないこと。
  • 旅行の参加者が役員だけではない。

忘年会・新年会などの社内レクリエーション費用

忘年会・新年会などの社内レクリエーション費用は以下の要件を満たしていれば福利厚生費とされます。

  • 全社員を対象としていること(役員のみの忘年会などは認められません。)また、2次会3次会は全社員を対象とはしていないため福利厚生費とはなりません。社内のゴルフコンペなども全社員を対象としているとは言えないため福利厚生費とはならないでしょう。
  • 忘年会の金額が社会通念上高額ではない。
  • ビンゴ大会などの景品が金銭でないこと。また、景品も一般的な金額なものであること。

社内同好会への補助金の支出

社内の同行会等への支出は、参加者が役員のみでないことや、その支給額が常識の範囲内の金額であることで、福利厚生費と認められます。

おわりに

以上が福利厚生費の具体例:その2になります。

それぞれに条件が同じものもありますが多少違う部分もあるので、注意が必要になります。

続きは福利厚生費のポイントと具体例:その2でご紹介します。

福利厚生費のポイントと具体例:その1

福利厚生を充実させ従業員が働きやすい環境を整備することにより、従業員の離職を防ぎ、有能な新入社員も募集しやすくなります。

そのため、どのような福利厚生が税務上認められるのかを知る必要があります。

福利厚生費のポイント

福利厚生費とは、事業主が従業員を慰安のために支出する金額で全従業員が対象で常識の範囲内に行われるものを言います。

そのため事業主だけで行く社員旅行であったり、一部の従業員だけが受けられるレクリエーションなどは福利厚生費とは認められません。

また、常識の範囲内で行われるものであるため高額な催しも福利厚生費とは認められません。

具体例

上記の条件を満たす福利厚生費には具体的に以下のものが有ります。

通勤費(通勤手当)

従業員や役員に支給する通勤費は一定の額以下であれば、正社員に限らずパートやアルバイトにも認められます。

一定の額とは、電車等の交通機関を利用する場合には1か月あたりの合理的な金額(最高額15万円)・自動車や自転車で通勤する場合には通勤距離によって金額が変わります(55㎞以上は3万1,600円等)。

慶弔見舞金

従業員や役員の結婚やお葬式に一定の基準で支出されるものについては福利厚生費と認められます。

具体的には、結婚祝い・出産祝い・見舞金・香典・お祝いの花輪代等がこれにあたり、領収書がもらえない香典などの場合には葬儀の案内状などに香典代を記載しておけば問題ありません。

また、支給金額は従業員・役員などの地位に応じて妥当と思われる金額であれば全額が福利厚生費と認められます。

常備薬

事業所に置く常備薬は福利厚生費と認められます。

ただし、あくまでも全従業員が対象でなければなりませんので風邪薬やマスクなどは問題ありませんが、一部の人にしか使えない薬は福利厚生費としての常備薬には認められません。

制服の支給

仕事場で着る制服を支給する場合には、一定の条件を満たせば福利厚生費と認められます。

その条件は、社名はロゴなどが入った日常で着ることが出来ないものであり、事務服や作業着などがこれに当たります。

以上が福利厚生費のポイントと具体例:その1になります。

次回「福利厚生費のポイントと具体例:その2」で、その他の具体的な事例をご紹介します。

車両は「購入」or「リース」、どちらが有利?

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本日も『トラバス』のブログへお越し頂きましてありがとうございます。

税理士の森田です。

さて、自動車運送事業者にとって必需品である車両。車両の調達方法は、購入とリース契約による調達が有りますが、どちらが有利なのでしょうか?

リース契約のメリット・デメリットから考えてみましょう。

リース契約とは?

リース契約とはリース会社が所有する車両等の資産をリース料を支払って使用することを言います。

そのため、車両の所有権はリース会社にあるので自動車税・車検等の費用はリース会社が負担することになります。

リース契約した場合のメリット

購入と違い少ない資金でリース契約により車両を借りることが出来ます。

購入の場合は車両の価額を、自己資金や銀行からの借り入れに等により多額の資金を用意する必要がありますが、リース契約の場合にはリース料を用意すれば良いのです。

リースは修理・整備代や税金、保険料など車両を購入した場合に発生する諸々の面倒も全て込みでの契約なので借りる側は車検や税金などの支出を気にせずただ毎月一定額を業者に支払い続けるだけでトラックを利用することができます。

もちろん、故障等の保証料もリース料の総額に計上されているので、万が一の際にも特別な支出が発生しません。

リース料を毎月の費用とすることが出来ます。

リース契約した場合のデメリット

リースは支出が定額に簡易化されて煩雑な事務作業がなくなる反面一回の支払額は高めに設定されているという大きなデメリットがあるので、長期的に利用すればするほど購入の方が支払い総額はお得になってきます。

例えば、短期のリース契約ならともかく再契約を繰り返して10年近く借りてしまった場合などは、トラック1台を余裕で買えるくらいの資金をつぎ込んだにも関わらず自分の手元には何も残らない事も有ります。

また、リース契約は基本的に中途で解約することができません。

クーリングオフ制度は残念ながら事業者間の取引では適応除外となっているので、会社経営者の方はボッタクリ対策のためにしっかりと複数業者から見積もりをもらい月額、総額、期間など契約内容をしっかりと確認する事が必要です。

基本的にはリース会社が所有する車両しかリース契約を結ぶことが出来ないので、選べる車両に制限が有ります。

購入とリース契約はどちらが有利か

リース契約の内容にもよりますが、基本的には支出額総額で比較した場合は購入したほうが有利です。

ただ、新たに運送会社を始める際に多額の自己資金や借入金が用意できない場合にはリース契約で始めるのも良いと思います。

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