税理士の森田です。
これまでの3回に引き続き、福利厚生費の具体例をご紹介します。
具体例
食事代の補助
役員や従業員に食事を支給する場合で、次の要件を両方満たせば福利厚生費とすることが出来ます。
- 役員や従業員が食事の金額の半額以上を負担していること
- 食事の会社負担額(食事の金額から役員や従業員の自己負担額を引いた金額)が1月あたり3,500円(税抜)以下であること
この要件を満たしていない場合には、食事の会社負担額相当額は役員や従業員に対する給与ということになります。
また、上記の内容はあくまで食事を現物支給した場合には福利厚生費となりますが、現金支給した場合には給与扱いになります。
例外としては深夜勤務の場合は夜食を支給できないので、一食あたり300円を現金で支給しても福利厚生費となります。
最近は食事にのみ使えるチケットを福利厚生としての利用している会社もありますが、そのチケットについては「食事にのみ使えること」「換金性がないこと」「使用の管理証明が出来ること」「1月あたりの会社負担が3,500円以下であること」等の条件を満たしていれば福利厚生費として認められます。
保養所
保養所を購入又は会員権を購入して役員・従業員に利用させる場合には、一定の条件を満たせば福利厚生費となります。
ただし、役員だけが利用できる場合や利用料金が安すぎる場合には給与扱いとなります。
育児・介護施設
育児費用や介護費用の補助をした場合には、全社員が利用できることなどを条件に福利厚生費となります。
出来れば社内規定などに記載しておくと良いと思われます。
以上が福利厚生費のポイントと具体例:その4になります。
おわりに
全4回にわたって福利厚生費についてお送りしましたが、具体例に記載していないものでも外部の福利厚生サービスを利用することにより福利厚生費と認められる場合が有ります。
どの場合にも共通するのは役員だけが利用するのではなく全社員が利用できることが条件となります。
福利厚生は、あくまで社員の働く環境整備のために行われるものであるということを忘れてはいけません。
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トラバス監事。東京都内の税理士事務所勤務を経て、独自の方法で中小企業の支援がしたいと思い独立開業。
運送会社の置かれた状況は値下げ競争など依然として大変厳しい状況にあるため、会社の財務状態を正しく管理し改善をすることにより会社を守ることが出来ると考えております。
また、毎年のように税制改正が行われ、かつ、複雑になっていますが、専門用語はできるだけ使わずに分かりやすく説明することをモットーとしております。