本日も『トラバス』のブログへお越し頂きましてありがとうございます。 社会保険労務士の志田です。
「採用時のトラブル防止:その1」では、採用時のトラブル防止として、「面談時に提出してもらう書類」について確認しました。
今回は、「採用時に提出してもらう書類」とそのポイントについて解説します。
採用時に提出してもらう書類
誓約書
後のトラブル防止に対応できる内容を記載しておきましょう。
誓約書で記載する事項は、
- 就業規則は確認済であること、ルールの順守を誓約すること
- 犯罪歴や申告していない病歴はない
- 酒気帯び運転は勤務外でも禁止であること
- 過失事故は損害賠償の対象となること
- 在職中、退職後も会社の情報を漏らさないこと
などです。誓約書には必ず本人の署名をもらうようにしてください。
身元保証書
身元保証書には会社が損害を受けた場合に、本人に代わって身元保証人が損害を賠償することと、さらに採用された本人が心身ともに健康体であることを保証する内容を入れておくとよいでしょう。
- 心身ともに健康であること
- 連帯して賠償責任を負うこと
また、トラブル防止の観点から本人と連絡が取れなくなってしまった場合、退職や問題解決に向けて身元保証人の方に協力してもらう文言を入れておくことをオススメします。
また身元保証の有効期間は原則3年間ですが、定めた場合は5年間有効となります。
身元保証書には5年間有効と明記しておきましょう。
健康診断書
常時使用する従業員を採用した場合には、「雇入れ時の健康診断」が義務付けられています。
ただし、その採用前3ヶ月以内に労働者自身が実施した健康診断結果を提出させることで代用できます。
3か月以内に健康診断を受診している場合は提出してもらいましょう。
住民票記載事項証明書
そのほか社内手続き上、提出してもらう書類としては住民票記載事項証明書があります。
現住所の確認(通勤経路の確認など)のために提出してもらうケースが多いです。
注意点としては、出身地や親族構成などが記載されている「住民票」や「戸籍謄本」「戸籍妙本」を提出してもらうことはできない点です。
中途入社の方には源泉徴収票、年金手帳、雇用保険被保険者証なども用意してもらう必要があるでしょう。
提出期限に注意
これらの書類の提出期限は、入社前または最初の出勤日までとしておきましょう。
会社によっては、提出期限を2週間以内というルールにしているところもありますが、トラブル防止の観点で誓約書や身元保証書の提出を義務付けているのですから、働いてもらう前にもらうべき書類です。
採用時の提出書類だけでなく、提出期限についてもあわせてご確認ください。また誓約書の内容等でご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
関連記事
トラバス理事。都内大手社会保険労務士法人で企業の労務相談、就業規則・各種規定の作成、指導、実務書の監修、労働保険・社会保険手続き、給与計算業務に携わる。その後、独立開業。
現在は、特に中小企業のための「リスクヘッジ型就業規則」コンサルティングと「社内のルール作り」「長時間労働対策」に力を入れている。また「企業はヒト」、「人材の定着には組織風土の活性化は欠かせない」という考えからユニークな企業内研修も実施。併せて民間企業、役所、商工会議所、法人会において労務管理セミナーの講師も務めている。