本日もブログにお越しいただきまして、ありがとうございます。行政書士の阪本です。
トラック運送事業者は、貨物の安全確実な輸送を行うために、営業所ごとに運行管理者を選任しなければなりません。この運行管理者を選任・解任した際には、その旨の届出を、営業所を管轄する運輸支局に対して行わなければなりません。
トラック運送事業者の行政処分情報を閲覧していますと、監査の際に運行管理者の選任(解任)未届出違反を指摘されているトラック運送事業者が多く見受けられます。
この届出は、難易度が高い手続きではありませんので、期限内に届出手続きを行うようにしましょう。
自社で届出手続きを行う時間を確保することができない場合は、行政書士にご相談ください。
届出に必要な書類
運行管理者を変更する場合に必要な書類は、選任解任届出書と運行管理者に選任した方の運行管理者資格証が必要になります。
運行管理者の解任の届出手続きのみを行う場合は、届出書のみを準備すれば足ります。
資格者証が手元にない場合
運行管理者として選任できる方、運行管理者資格者証の交付を受けていることが条件になります。
運行管理者試験に合格した方で、資格者証の交付を受けていない方を運行管理者に選任する場合は、選任届出書の提出を行う前に、最寄りの運輸支局において、資格者証の交付申請手続きを行う必要があります。
東京運輸支局にてこの手続きを行う場合は、申請を受理してから資格者証交付まで、約3~4週間程度かかります。
なお、運行管理者試験合格発表日直後は、1か月程度かかる場合があります。運行管理者の選任候補者には、予め、資格者証の有無を確認しておいた方がよいでしょう。
資格者証を紛失した場合は
過去に資格者証の交付を受けたがその資格者証を紛失してしまった場合は、その方を運行管理者に選任したい場合は、選任届出書の提出を行う前に、運行管理者資格者証の再交付申請の手続きを行う必要があります。
資格者証の再交付は、交付を受けた運輸支局に対して行わなければなりません。再交付の場合も、東京運輸支局の場合は、申請から再交付まで3週間から1か月程度の期間を要しますので、注意が必要です。
届出書の提出
届出の様式は、提出先の運輸支局によって異なります。様式は提出先の運輸支局のホームページからダウンロードするか、窓口で受領することで入手することができます。
届出書の記載にあたっては、複数の運行管理者を選任している営業所の場合は、選任・解任された該当者だけではなく、既に選任されている運行管理者全員も記載する必要があります。
届出書の記載が終わったら、運輸支局への提出用と事業者控え用が各1部ずつ、計2部を準備して、営業所を管轄する運輸支局へ提出します。
提出は発生日から1週間以内に
運行管理者を選任・解任したときは、選任後・解任後に届出手続きを行えばよいのですが(事後手続き)、選任・解任日から1週間以内に、営業所を管轄する運輸支局へ届出を行わなければなりません。
選任・解任したらすぐに行わないと、この1週間の期限内に行うことは難しいと思います。
届出書を作成する時間や運輸支局へ提出するために訪問する時間を確保することが難しいトラック運送事業者の方は、行政書士に届出書の作成と提出代行を依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。
届出完了後の注意点
運輸支局へ届出書を提出すると、運輸支局の受付印が押された届出書が1部返却されます。
この届出書の控えは、一般貨物自動車運送事業の許認可を管理する際や、巡回指導・監査の際にとても重要な書類です。他の運輸局への提出書類と共に、重要書類として保管しましょう。
最後に、運輸支局への届出手続きが完了しましたら、運行管理規程や営業所内の掲示物に記載された運行管理者の氏名が最新のものに更新されているかの確認も忘れずに。
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トラバス代表理事。行政書士開業後、個人事務所時代から一貫して、運輸と観光分野に関する専門家として、数多くのトラック運送会社、貸切バス事業者、倉庫業者の許認可法務に関与してきた経験を持つ。
現在も行政書士法人シグマの代表行政書士として、行政書士法人を経営しながら、運輸業と観光法務の実務家として活動中。
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)賛助会員(認定アドバイザー)