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社会保険労務士の志田です。
ここのところ、寒暖の差が激しく、私のまわりでも体調を崩されている方が多いです。秋が深まるにつれ、インフルエンザも流行る頃です。体調管理には十分注意しましょう。
ということで、今回はドライバーの健康管理について取り上げてみたいと思います。
健康管理といえば、年に1回の定期健康診断を思い浮かべますが、実は毎日の健康チェックが非常に大事です。
ドライバーの健康管理チェックはいつ行うのが良いでしょうか?
それは点呼時です。
点呼時の健康管理チェック
それでは、点呼時にどのような点に注意して健康管理チェックを行うのかをみてきましょう。
以下の点に注意して健康管理チェックを行ってみてください。
(1)乗務前点呼
- 運転者の立ち位置を足マークなどで明示し、至近距離で点呼する。表情を見て具合が悪そうではないか?
- 必ず運転者の顔を見ながら行い、運転者に声を出させる。健康状態が悪いときは声に変化がでます。
(2)次の事項について運転者に確認する
- 熱はないか
- 疲れを感じないか
- 気分が悪くないか
- おなかをこわしていないか
- 動悸がしないか
- 眠気を感じないか ・腹痛・頭痛を我慢していないか
- 運転に悪影響を及ぼす薬を服用していないか
- そのほか健康状態に関して何か気になることはないか
など
(3)持病を持っていたり、疾病などを治療中のドライバーには、通院状況や服薬状況、医師の指示された事項を守っているか確認
- 医師に処方された薬をしっかり飲んでいるか
- 医師に指示された事項を守っているか
など
(4)疾病に応じて次の事項も確認する
〈高血圧症や心血管系疾患〉
- めまいはないか
- 頭が重い、あるいは痛くないか
- 動悸がしないか
- 脈が乱れるときはないか
- 胸痛はないか
- 気分はどうか
〈糖尿病〉
上記の内容に加え、
- のどが異常にかわくことはないか
- だるさ・疲れがひどくなっていないか
- 目立って痩せてきてはいないか
- 頻尿・多尿ではないか
点呼時に体調が悪そうなドライバーがいた場合
実際に点呼時に、ドライバーの体調が優れない場合は、乗務させてはいけません。
なお、点呼の結果、乗務できなくなった場合に代わりの運転者をどうするかは、あらかじめ決めておく必要があります。
具体的には、
- 代わりの運転者をすぐ手配できる手続きを決めておく
- 他の運送事業者に運送を依頼できるようにしておく
などが考えられます。
代わりの手段がないために、体調が悪い運転者が無理をして乗務するようなことがないようにしてください。
最後に
ドライバーごとに簡単な健康管理ノートやチェック表を作成しても良いかと思います。
チェック表の作成方法や使い方にご不明な点等があれば、お気軽にトラバスまでご相談ください。
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トラバス理事。都内大手社会保険労務士法人で企業の労務相談、就業規則・各種規定の作成、指導、実務書の監修、労働保険・社会保険手続き、給与計算業務に携わる。その後、独立開業。
現在は、特に中小企業のための「リスクヘッジ型就業規則」コンサルティングと「社内のルール作り」「長時間労働対策」に力を入れている。また「企業はヒト」、「人材の定着には組織風土の活性化は欠かせない」という考えからユニークな企業内研修も実施。併せて民間企業、役所、商工会議所、法人会において労務管理セミナーの講師も務めている。