危機管理コンサルタント、社会保険労務士、行政書士の内藤です。
この数年、トラックのバッテリー盗難が増えて来ましたね。聞いたことがある方も少なくないでしょう。
「バッテリーなんて盗む奴いるのかよ?」という他人事では済みませんね。盗まれたらどうなるのか、ちょっと想像してみましょう。
もしバッテリー盗難に遭ったら?
朝、出勤する。
今日は、Aさんの所で荷物積んで、Bさん、Cさん、Dさんのところで下ろして、あーCさんのところ、時間厳守なんだよな。。。それから午後は・・・
なんて考えながら、エンジンかけて出発〜
あれ、うんともすんとも…
バッテリー上がりかなとも思いながら、車体脇のバッテリーのところへ。
あれ?
この辺だと思ったんだけど、おかしいな、反対側か…
いや、反対じゃない。ここだ、外された跡がある…
整備とかだったかなぁ、時間ないのに。
だいたい、なんで朝からバッテリー外してんだよっ。誰だっ。
とか言ってるうちに、源さんが騒いでる。
源さんは同僚の運転手で、俺の飲み仲間だ。
オレ「源さん、朝から何騒いでんだよ。」
源さん「バッテリーが盗まれたんだよ。やべぇよ。今日、朝一でFんとこ、積みに行かなきゃなんないねーのっ。」
オレ「倉庫に予備のバッテリーあんべよ。」
源さん「ねーんだよ。在庫切れなんだと。この型。」
オレ「まじかよ…」
って、俺も盗まれたんじゃん!?
えっと、前振り長過ぎました。
さあ大変です。こうなってからでは遅いですね。
たかがバッテリー、されどバッテリー。
失くなってから、ありがたみを感じるとはこのことですね。
全車両のバッテリーが一晩の間に盗まれたらなんて、経営者だったら絶対に考えたくありません。
先程の現場の話は、即、社長に降りかかって来ます。
「しゃ、社長大変です!」
有効な防犯対策とは
さて、問題が分かりましたので、早速対策を立てましょう。
手っ取り早いのは警備会社ですね。
しかし、警備会社に頼むと、何十万円も、場合によっては百万円ではきかないでしょう。
起こるかどうかも分からない事態にそんな大金を投じる余裕があるとは限りません。
そこで、費用対効果が高い防犯対策を考えてみましょう。
費用対効果と申し上げましたが、費用に重きを置きすぎてはダメです。
大事なのは効果の方です。
対策自体に効果がなければ無意味なのですから。
では、順番に。
その1:防犯ナット
これは必須です。何せ一個数百円からあります。
やらない理由はありません。
使い方はいたって簡単。
今、バッテリーを固定しているナットを防犯ナットに替えるだけ。
原則として専用工具でしか回せないので、簡単には取り外せません。
初期対策として導入しましょう。
その2:アピール
具体的には画像と通報です。
この二つをアピールしましょう。
なぜなら、この二つは泥棒が嫌う二大キーワードだからです。
その3:ネットワークカメラの設置
あれ2と3逆じゃないの?って思った方、鋭いですね。
確かに。普通、防犯カメラから設置するでしょ。って思いますよね。
ですが、慣れてる泥棒に対して防犯カメラは、実はそれほど効果は期待できないんです。
カメラと通報をセットでアピールすることが大事なんです。
盗まれたバッテリーの行方
ところで、盗まれたバッテリーはいったいどこへ行くのでしょう。
まさか20個も30個も盗んで、自分で使っている訳はありません。しかも中古ですからね。
試しにネットで「カーバッテリー 買取」などと検索してみてください。
するとどうでしょう。1キロ100円とかで買い取ってもらえることがわかりますね。
トラックバッテリーの重さは1個当たり40kgにもなります。4,000円なり。
しかも、スパナなどで外して運ぶだけ、10個で4万円です。
1日4万稼ぐと、週休二日で働いて1月あたり23日くらいですから、4万×23で、92万円。。。
ダメですよ。「自分もやろう」などと考えては。
必ず捕まりますからね。
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警視庁巡査を拝命してから警視庁警部補を依願退職在職までの約17年間の内、約10年を本部刑事(捜査第三課)、約5年を所轄署刑事として従事。
この間、空き巣や金庫破りなどの建物に侵入して敢行するいわゆるプロの泥棒を数十人検挙。
警部補で警視庁本部に所属した際は、自ら捜査本部を陣頭指揮し、窃盗犯の割り出しから行動確認、証拠収集、令状請求、逮捕、取調べにあたり、侵入窃盗犯罪に精通するに至る。
現在は、社労士業務、行政書士業務のほか、併設法人合同会社Place C Nineの代表として防犯コンサルティングを実施。
危機管理を含んだ総合的支援をモットーとしており、即時、ベストな提案と対応ができる頼れる専門家として活動している。