運送業界には朗報と思われる免許制度の改正が平成29年3月12日からスタートし、これにより「準中型自動車免許」が新設されます。
準中型自動車免許
準中型自動車免許は、18 歳以上で取得ができ、3.5トン以上7.5トン未満のトラックの運転ができることに加えて、普通免許の経験がなくても取得できるので、運送事業者の高卒の新卒者雇用が促進され、ドライバー確保につながるのではと期待されています。
改正後の制度
ここで、現行の免許制度と改正後の免許制度の違いを見てみましょう。
現行の制度においては、普通免許で運転できるトラックは2トン車のみです。2トン車とは、車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満のトラックです。
中型自動車といわれる4トン車を運転するには、普通免許を取得してから2年待ち、中型免許を取得しなければなりません。
4トン車とは、車両総重量8トン以下、最大積載量5トン以下のトラックです。
そこで、18歳から「準中型免許」を取得できるようにして、4トン車の運転ができるドライバーが増えるように免許制度の改正が行われ、新卒雇用の促進につなげようとしたと思われます。
車両総重量に注意
ただし、注意が必要なことがあります。
改正後の免許制度では、準中型自動車の車両総重量が3.5トン以上7.5トン未満になっています。
業界で一般的な4トン車の車両総重量は約7.7トン~7.9トン(車両によって異なります)程度です。
したがって、運送事業者の所有しているトラックによっては、18歳で準中型免許を持っていても4トン車の運転ができないことになり ます。
ここがポイントで、運転できるかできないか判断するのは、「最大積載量ではなく車両総重量」です。
準中型免許を持っているから4トン車を運転できると誤解をしてしまって、車両総重量7.5トン以上の4トン車を運転させてしまうと無免許運転になり、重い行政処分を科されてしまいますので、必ず車検証で車両総重量を確認し、無免許運転にならないよう注意する必要があります。
ちなみに、普通免許のみでは車両総重量が3.5トン未満のトラックしか運転できなくなるので、普通免許で2トン車を運転できるとの誤解にもご注意して頂きたいと思います。
終わりに
18歳からの免許取得の幅は広がりますが、トラックを運転しようと思わない人は準中型免許を取得しないと思われますし、準中型免許は免許取得費用が20万円ほどかかってしまうようなので、どれくらいの人が取得するのか何とも言えないところです。
このような免許制度の改正などの取り組みも運輸業界の人手不足を解決する方法として必要です。
しかし、その他にも従業員の生活の安定、従業員の幸福、関連する法令・規範を遵守し運輸業界の社会的地位の向上を目指す会社づくりに取り組むことも必要ではないでしょうか。
私たちトラバスは、このような取り組みを行っておられる事業者様のお役に立てるように日々活動をしておりますので、お困りごと・お悩みごとがございましたら、お気軽にお声かけ下さい。
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