本日も『トラバス』のブログへお越し頂きましてありがとうございます。 社会保険労務士の志田です。
近年、ドライバー業界全体で慢性的な人手不足の状態が続いており、多くの会社では採用に苦戦しております。特に問題社員を採用してしまったという相談を受けるケースが増えています。
対応策として、はじめからそのような人を採用しないということができれば良いのですが、実際はなかなか面談だけで判断することは難しいと思います。
そこで、面談時に提出してもらう書類が「採用の判断材料」として非常に重要なものとなります。
今回は、面談時に提出してもらう書類と、そのポイントについて解説します。
面談時に提出してもらう書類
履歴書
職歴の確認や本人の性格を判断します。
- 自筆で丁寧な字であるか(字のうまい、下手は関係ない)→乱雑に記入している方は荒い運転をする可能性があります。
- 職歴に空白期間があったり、不自然さはないか→労使トラブルによる退職を隠している可能性があります。
- 履歴書の使いまわしをしていないか(日付で確認)→多くの会社で不採用になっている可能性があります。
といった点がチェックポイントです。
健康に関する申告書
あらかじめ申告書の用意をしておき、面談時に記載してもらいます。
- 病歴(健康診断では判断できない精神面の病歴も記載してもらえるよう工夫する)→ドライバーとして運転業務を任せられる健康状態か確認します。
といった点がチェックポイントです。
面談時の申告書
後で発覚して問題にならないよう面談の時点で申告してもらいます。
- 暴力団等反社会的勢力に所属しておらず、交流をもっていないか
- 入れ墨やタトゥーを入れていないか
- 違法薬物を使用したことがないか
といった点がチェックポイントです。
退職証明書
- 面談時に確認した退職理由と同じか
- 解雇であればその理由は何か
といった点がチェックポイントです。
履歴書の職歴や面談時に気になるようであれば、前職の会社より取り寄せてもらいましょう。
面談時に確認した退職理由と異なる可能性もあります。
運転記録証明書
- 過去の事故歴や違反歴の確認
といった点がチェックポイントです。
事故歴・違反歴の多い方は、プロドライバーとして問題ありです。
おわりに
それぞれの書類のチェックポイントを解説しましたが、これらを参考に自社で「採用しない人」の基準を決めておきましょう。
(例えば・・・面談の印象が良くても、1年以内に次々と会社を変えている人は絶対に採用しない。など)
また申告書や退職証明書を提出してもらうことで、後に虚偽の申告が発覚した場合、採用取消や退職に向けての話合いを進めることもできます。
このように面談時の書類は非常に重要なものとなります。
面倒であっても、問題社員を採用しないために上記書類は提出してもらうようにしてください。
また健康に関する申告書や面談時の申告書の作成にご不明、ご不安な点があれば、ぜひ一度ご相談ください。
次回は採用時の提出書類について確認したいと思います。
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トラバス理事。都内大手社会保険労務士法人で企業の労務相談、就業規則・各種規定の作成、指導、実務書の監修、労働保険・社会保険手続き、給与計算業務に携わる。その後、独立開業。
現在は、特に中小企業のための「リスクヘッジ型就業規則」コンサルティングと「社内のルール作り」「長時間労働対策」に力を入れている。また「企業はヒト」、「人材の定着には組織風土の活性化は欠かせない」という考えからユニークな企業内研修も実施。併せて民間企業、役所、商工会議所、法人会において労務管理セミナーの講師も務めている。