近年、大型自動車(車両総重量8トン以上のトラック又は乗車定員30人以上のバス)のホイール・ボトル折損等による車輪脱落事故が急増しています。
平成28年度の大型自動車(車両総重量8トン以上のトラック又は乗車定員30人以上のバス)のホイールボルト折損等による車輪脱落事故の発生件数は56件(うち人身事故は3件)で、前年度に比べ15件増加しています。
特に11月から3月に36件(全体の約64%)発生しており、大型自動車の車輪脱落事故は冬期に発生する傾向にあります。
原因として、ホイールナットの不適切な締付け(トルク不足など)や、ホイールボルト及びナットの経年劣化が疑われるものが多くを占めていました。
このため、国土交通省は下記の4点を徹底するよう要請しています。
- ホイールナットの規定トルクでの締付け
- タイヤ(ホイール)交換後、50~100km走行後の増し締め
- 日常(運行前)点検での確認
- 専用ボルト及びナットの使用
各関係団体では、今般の車輪脱落事故の発生状況等のデータとともに、車輪脱落を防ぐための具体的な対策を記したリーフレット、スライド、参考資料、啓発ツール等を作成しています。
<車輪脱落を防ぐ4つのポイント(合言葉はおちない)>
- 「お」おきまりのトルクできちんと締め付けて→→確実な締付け
- 「ち」ちゃんと増し締め交換後→→増し締めの実施
- 「な」ナット見てボルト触ってさぁ出発→→1日1回の日常点検
- 「い」いやまてよ、ボトルとナットは適正か?→→ホイールに適合したボルト、ナットの使用
参照:日本自動車工業会
車輪脱落は、路上故障や他の交通の妨げとなるばかりでなく、歩行者や他の車両の乗員の命に係わるなど、場合によっては重大な事故を引起し、社会的信頼を損なうことにもなりかねません。
これらを参考にし、安全確保のための日頃からの点検・整備の実施を行い、安全な運行をお願い致します。
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トラバス代表理事。行政書士開業後、個人事務所時代から一貫して、運輸と観光分野に関する専門家として、数多くのトラック運送会社、貸切バス事業者、倉庫業者の許認可法務に関与してきた経験を持つ。
現在も行政書士法人シグマの代表行政書士として、行政書士法人を経営しながら、運輸業と観光法務の実務家として活動中。
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)賛助会員(認定アドバイザー)