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行政書士の阪本です。
平成28年は、軽井沢スキーバス事故を踏まえて、徹底的な再発防止策が検討され、貸切バス事業者さんの遵守事項が強化された一年でした。
遵守事項は85項目にわたり、そのうち71項目が実施済みの事項です。とはいえ、五月雨式に法令改正が行われたので、混乱されている事業者さんも多いと耳にしております。
運行管理補助者について
再発防止策のなかでは、「運行管理体制の強化」も行われ、運行管理補助者の選任時に、国への届出が義務付けられました。
運行管理補助者とは
文字通り、運行管理者の業務を補助させるのが「運行管理補助者」です。運行管理者が休日なく勤務することは不可能な話ですので、運行管理者が不在時に、営業所の運行管理を徹底するため、運行管理者の業務を補助するものとして補助者を選任することができます。なお、補助者を選任する・しないは任意ですが、補助者を選任した場合は、補助者の職務や選任方法等について、運行管理規程に明記しておく必要があります。
運行管理補助者が実施できる業務
補助者は、運行管理業務のうち補助的な業務について、運行管理者の指示のもと、次の業務を実施することができます。
- 点呼に関する業務
- 運行指示書に関わる資料作成や運転者への伝達行為
点呼に関する業務は、すべての点呼業務を運行管理補助者が実施できるわけではありません。点呼の実施回数の3分の1以上は運行管理者が実施しなければならないため、運行管理補助者が実施できるのは、点呼実施回数の3分の2未満となります。
運行管理補助者となるための条件
補助者として選任することができる方は、次のいずれかの条件を満たしている方です。
- 旅客の運行管理者基礎講習を修了した方
- 運行管理者資格者証の交付を受けている方
運行管理補助者選任届出の方法
補助者の届出に使用する書式は、「運行・整備管理者選任等届出書」になります。平成28年の法改正を受けて、届出書の書式が変更になりました。新しい書式は、運輸支局のホームページから確認することができます。
なお、従前の書式は、他の一般貨物などの運送事業者と共通書式でしたが、貸切バス事業者は補助者の選任届出が義務となりましたので、専用の書式を使用することになります。
関東運輸局管内の新書式は、届出書の左上に【貸切専用】と記載されています。
出典:関東運輸局のホームページ
運行管理補助者選任届出の際の添付書面
補助者の届出の際は、届出書の他に、選任する補助者の方のいずれかの書類が必要になります。
- 旅客の運行管理者基礎講習の修了証書の写し
- 運管管理者資格者証の写し
平成28年の法令改正に伴い、貸切バス事業者さんは運行管理補助者を選任する場合は、国への届出が義務付けられました。
平成28年12月より前に補助者を選任している場合は、その選任届出を平成29年1月31日(火曜日)までに提出しなければなりません。
関東運輸局管内にある運輸支局の担当官に確認したところ、この届出を済ませた貸切バス事業者さんは、全体の半分程度とのことでした(平成29年1月6日時点)。
届出がこれからの事業者さんは、提出期限までに、営業所を管轄する運輸支局へ届出書の提出を行いましょう。
おわりに
運輸安全総研トラバスは行政書士事務所ではないため、運行管理補助者の選任届出を代行することはできません。とはいえ、トラバスに所属している行政書士が所属している行政書士事務所にて、この選任届出を代行することが可能です。
運行管理補助者の選任届出の書類作成及び提出代行をご希望の貸切バス事業者さんは、一度、お問い合わせください。
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トラバス代表理事。行政書士開業後、個人事務所時代から一貫して、運輸と観光分野に関する専門家として、数多くのトラック運送会社、貸切バス事業者、倉庫業者の許認可法務に関与してきた経験を持つ。
現在も行政書士法人シグマの代表行政書士として、行政書士法人を経営しながら、運輸業と観光法務の実務家として活動中。
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)賛助会員(認定アドバイザー)