税理士の森田です。
いい会社カードは、会社にとっての問題点や課題を発見するのに役立つツールです。
経営者がすでに認識している問題点や課題を再確認することはもちろん、まだ認識されていない問題点や課題を浮き彫りにさせてくれる効果もあります。
今回はいい会社カードのうち、「ぶれない経営の軸」についてお伝えしようと思います。
ぶれない経営の軸
経営者にとって、何が正しい経営で何が間違った経営なのかを判断するのは非常に難しいことです。
誰かが正解を教えてくれる訳ではありません。
成功した経営者の行った経営判断のまねをすれば、同じように成功するというものでもありません。
結局は実際に経験してみて、その都度より良い方向に経営判断を修正するしかないのです。
そのためには、ある程度経営方針を決める必要が有ります。
経営方針を決めないまま経営判断を行うことは、目的地を決めずに航海の旅に出発するようなものです。
場当たり的な経営判断は間違いをしやすくなり、どこが間違っていたのか分析もしにくいため経営判断の修正をしにくくしてしまいます。
短期と中長期の経営方針
経営方針は、短期(3年以内)のものと中長期(5年~10年)のものを決めます。
中長期は中期(5年)と長期(10年以上)に分けて決めた方が良いですが、中小企業においては中長期で決めても問題は有りません。
経営方針を決める順番としては、中長期の経営方針を先に決める方が良いと思います。
短期の経営方針を先に決めると目先の利益ばかりを優先した経営方針になっていまい、後で中長期の経営方針が決めづらくなってしまうからです。
中長期の経営方針は、経営理念や今後の会社の目標を考慮に入れて、非現実的でなければ多少理想的に決めても良いと思います。
短期の経営方針は、中長期の経営方針を踏まえて、ある程度目先の利益や資金繰りを意識して具体的な金額を計上して決めて下さい。
短期の経営方針は、中長期の経営方針と違い理想は入れずに現実的に実現可能な方針を決めて下さい。
経営方針の修正は、あくまでその都度より良い方向に決める方が良いです。
最初からベストを狙うと、なかなか決められなくなり時間だけが経ってしまいます。
流れとしては、「経営方針を決める」⇒「実行」⇒「少しずつ軌道修正する」を繰り返して行います。
経営方針に基づいたぶれない経営を行うことで、安定的で永続的な会社経営を行えるようになります。
いい会社カードの活用
いい会社カードは、ぶれない経営の軸だけでなく多角的に会社の問題点や課題を発見するのに役立ち、その発見した問題点や課題を修正・克服することにより、より良い会社経営を実現するのに役立つと思いますので是非ご活用ください。
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トラバス監事。東京都内の税理士事務所勤務を経て、独自の方法で中小企業の支援がしたいと思い独立開業。
運送会社の置かれた状況は値下げ競争など依然として大変厳しい状況にあるため、会社の財務状態を正しく管理し改善をすることにより会社を守ることが出来ると考えております。
また、毎年のように税制改正が行われ、かつ、複雑になっていますが、専門用語はできるだけ使わずに分かりやすく説明することをモットーとしております。