なぜ空き巣は夕方なのか

危機管理コンサルタント・社会保険労務士、行政書士の内藤です。

突然ですが、なぜ空き巣は夕方に入るのでしょうか。

「なぜって言われも、そうなんですか?」という反応が普通ですね。

窃盗犯の手口

イメージしやすいように、まずは、泥棒Aさんの仕事風景を追いかけてみましょう。

Aさんは定宿のサウナを出ると、おもむろに最寄りの駅から電車へ。

車窓を眺めていると、好みの街並みが流れ始める。次の駅で降りることを決めたAさん。改札を出ると住宅街へ足を向けます。

夕暮れ時の人通りの少ない住宅街をぶらぶらしていると、道路から死角が多そうな、手ごろな家を発見。

夕暮れ時だというのに明かりが点いた部屋はありません。近所も共働きなのか、不在の家が多い様子。

目撃者はいない。

Aさん、周囲に人の気配がないことを慎重に確認すると、開いている門扉をすり抜け、家屋の脇へ滑り込む。

掃出し窓には、しっかりとクレセントで施錠が。しかし、Aさんにとっては、このようなカギは掛かっていないも同然。

両手に軍手をはめたAさん。マイナスドライバーをガラスの隙間に突っ込み、1か所2か所とこじる。ヒビがつながって、ガラスは小さく分離した状態。

ちょうど三角になった部分を指で押して、小さく割れたガラスを外す・・・。

あとは、手を入れて施錠を外して中に入るだけ。

ここまで、約1分。

窓から土足で入ると、まず、外を確認。侵入する瞬間が一番危ない。

出所後最初のヤマは、緊張するが、それ以降は、「どんなお宝があるかな」という期待の方が大。・・・自分を見ている者はいない。

さぁ、家人が帰宅する前にさっさと一仕事。

部屋内の引き出しという引き出しを確認。整理ダンスは下から開けた方が開け閉めの効率が良い。明らかに洋服ばかりが収納されているタンスは、小引出しから・・・。

いきなり封筒入りの現金発見!外から触った感触から10万は入ってるか?

中身の確認は仕事を終えて、安全な場所まで移動してから。

その後の物色で、書斎らしき部屋の机引出しから高級腕時計、リビングの化粧台の引き出しからダイヤの指輪をいただき、玄関ドアから外へ。

やっぱり誰もいません。駅の方向は覚えている。

途中、自転車に乗ったお巡りさんとすれ違うが、特に職務質問を受けるでもなく、スルー。

駅から電車に乗り、繁華街へ。繁華街が位置する駅の公衆便所の個室で封筒の中身を確認。

一万円札が9枚と5千円札が1枚。9万5千円なり。

といった感じでしょうか。

さて、なぜ夕方なのか少しお分かりいただけたでしょうか?

そう。部屋の明かりです。

昼間に泥棒をする場合は、インターホンを鳴らしたりして、不在確認をする泥棒が多いのですが、家人がいる場合、どうしても自分の顔を見られてしまうというリスクが発生します。

夕方ならば、その心配が少ないのですね。

これは運送会社などの事務所でも同様のことが言えます。

安価な盗難対策

ここで防犯対策の提案を一つ紹介します。

それはタイマー式コンセントです。

タイマー式のコンセントの何が防犯なのかと言いますと、ずばり「部屋の明かりを作る」ということです。

2階の道路側の部屋の机にスタンドを置き、タイマー式コンセントにプラグを挿しておき、日没30分前に電源が入るようにしておきます。

これだけで立派な防犯対策になります。

先ほどのAさんのようなケースでも狙われる確率がかなり減ります。

費用もそれほどかかりませんので、車両や備品の盗難対策として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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