本日もブログにお越し頂きましてありがとうございます。税理士の森田です。
さて、ガソリンや軽油を給油した場合の経理処理について注意して仕訳をして頂かないと、税務調査で指摘を受けるケースが良くあります。
ガソリンと軽油の消費税の違い
ガソリンにはガソリン税、軽油には軽油引取税がかかっていますが、ガソリン税には消費税がかかる一方で、軽油引取税には消費税がかかりません。(販売店が特約店等でない場合は、軽油引取税にも消費税がかかります。)
ガソリンと軽油の消費税の取り扱いが異なる理由は、ガソリン税は製造業者に納める義務があり、ガソリンの製造時の原価に含まれるものだからです。したがってガソリン税には消費税がかかります。
酒税やたばこ税も同じ理由で消費税が課税されます。
一方、軽油引取税は軽油の消費者に納める義務があるため、軽油が販売された時点で軽油引取税が課税されるので、軽油引取税に消費税がかかると消費者にとって二重課税になるため、基本的には軽油引取税には消費税がかかりません。
ガソリンと軽油の給油時のそれぞれの仕訳
このため、ガソリンを給油した場合と軽油を給油した場合では仕訳が異なります。いずれの場合も仕訳は税込処理によります。
ガソリンを給油した場合
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
車両費(課税) | 10、000 | 現金 | 10、000 |
ガソリン税も含めて消費税がかかるので、全額が課税仕入になります。
軽油を給油した場合(軽油引取税を3,000円とした場合)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
車両費(課税) | 7、000 | 現金 | 10、000 |
車両費(不課税) | 3、000 |
軽油引取税には消費税がかかっていないので、課税仕入にはなりません。
軽油を給油した場合にも、ガソリンを給油した場合と同じ仕訳を間違って計上すると、課税仕入額が過大になり消費税の納税額が少なくなるため税務調査の際には指摘されることになります。
ただし、消費税の簡易課税制度を採用している事業者については軽油を給油した場合に全額を課税仕入にしても消費税の納税額が変わることはありません。
会計ソフトで入力する際は、「車両費(不課税)」という科目を新たに作って頂くと間違いにくくなります。
また、軽油を購入した販売店が特約店等でない場合には軽油の給油額全額が課税仕入になりますが、軽油購入時に特約店等で購入するよりも二重課税分の消費税を多く支払っているため、特約店等で購入するよりも特になるわけではありませんのでご注意下さい。
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トラバス監事。東京都内の税理士事務所勤務を経て、独自の方法で中小企業の支援がしたいと思い独立開業。
運送会社の置かれた状況は値下げ競争など依然として大変厳しい状況にあるため、会社の財務状態を正しく管理し改善をすることにより会社を守ることが出来ると考えております。
また、毎年のように税制改正が行われ、かつ、複雑になっていますが、専門用語はできるだけ使わずに分かりやすく説明することをモットーとしております。